パナソニック新領域市場探索プログラムに採択― 防災・レジリエンスを“実装”する共創に向けて ―

株式会社SAKIGAKE JAPAN(本社:東京都、代表取締役:近藤宗俊)は、パナソニック株式会社が実施する「新領域市場探索プログラム」に採択されました。本プログラムは、社会課題の解決につながる新たな市場・事業領域の創出を目的に、パナソニックと外部パートナーが共創しながら、構想検討から実証、将来的な事業化までを見据えて取り組むものです。

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本採択は、防災・レジリエンス分野において当社がこれまで取り組んできた、「災害を前提に社会やインフラを再設計する」という視点と、理念にとどまらない実装志向の事業構想が評価されたものと受け止めています。

「技術があるのに、届いていない」という構造的課題

日本には、世界最高水準の防災技術や災害対応のノウハウが数多く存在します。冷蔵・電源・照明・センシング・耐震・データ解析など、個々の技術レベルは非常に高い一方で、それらが本当に必要とされる現場や地域、あるいは海外市場まで十分に届いているかというと、必ずしもそうとは言えません。

その背景には、

  • 技術単体では社会的価値や効果が伝わりにくいこと
  • 災害対応は平時には評価されにくく、投資判断が後回しになりがちなこと
  • 導入や運用の判断主体が、行政・企業・住民などに分断されていること

といった、構造的な課題が存在しています。

SAKIGAKE JAPANは、こうした課題に対し、「個別製品を売る」ことを目的とするのではなく、災害対応・事業継続・地域レジリエンスを社会の中で機能する“仕組み”として再設計することを事業の軸としてきました。

パナソニックとの共創で目指すもの

本プログラムを通じて、SAKIGAKE JAPANはパナソニックと連携し、防災・避難所・エネルギー・GX(グリーントランスフォーメーション)といった複数領域を横断する、新たな社会実装モデルの検討・実証を進めていきます。

その中で特に重視しているのは、次の3点です。

  • 災害時だけでなく、平時にも使われ続けること
  • 特定の地域や制度に過度に依存しない、汎用性を持つこと
  • 技術と運用、思想と現場が乖離しないこと

防災は「非常時の特別対応」ではなく、日常の延長線上に組み込まれてこそ、実際の災害時に機能します。今回の共創では、そうした前提に立ち、実装可能性と継続性の高いモデルを共に検討していきます。


SAKIGAKE JAPANの役割と強み

SAKIGAKE JAPANは、防災・環境適応分野に特化したプラットフォーム「防災取引所データベース」を構築・運営し、日本国内に存在する先進的な防災技術やサービスを体系的に整理・可視化してきました。加えて、国内外の災害対策・レジリエンス強化ニーズを踏まえ、技術と課題を結びつけるマッチング機能を担ってきました。

これまでの取り組みの中で、当社は以下の点を重視してきました。

  • 日本の防災技術を個社単位ではなく、複数技術を横断的に整理・活用する「オールジャパン型」の視点
  • 防災・レジリエンスを理念や啓発にとどめず、実装可能な仕組みとして設計・運用してきた実績
  • 国内外の行政機関、企業、研究機関との連携を通じた、実務レベルでの協働経験
  • 災害対応、避難所運営、都市インフラといった複数領域を横断し、社会実装を見据えた構想力

これらの取り組みが、防災・レジリエンス分野における新たな市場創出や共創の可能性を広げるものとして評価され、今回の採択につながりました。

共創の方向性|避難所・都市インフラを起点としたレジリエンスモデル

今後は、パナソニックが有するエネルギー、照明、センシング、空間設計といった技術・アセットと、SAKIGAKE JAPANが培ってきた防災分野の知見・ネットワークを掛け合わせ、以下のような領域での検討・実証を進めていく予定です。

  • 避難所の生活環境・ウェルビーイング向上
  • エネルギー×防災のフェーズフリー設計
  • 避難所運営・物資管理のDX
  • 自治体・地域単位でのレジリエンス強化モデル

単発的な技術導入ではなく、社会構造の中に組み込まれ、継続的に機能するモデルの構築を目指します。


採択の意義

今回の採択は、単なる実証機会の獲得にとどまらず、防災・レジリエンス分野を社会実装のフェーズへと進めるための重要なステップと位置づけています。大手企業との協業を通じて、防災を一過性の社会課題として扱うのではなく、継続的に価値を生み出す「基盤産業・市場」として成立させていくことを目指します。

また、日本で培われてきた防災・危機管理の知見や技術を、特定の制度や地域に閉じたものではなく、他地域・他国でも応用可能な形へと再整理・再定義していく点も、本取り組みの重要な意義です。行政・企業・地域といった異なる主体が共通の前提・言語で防災を議論し、意思決定できる枠組みを構築することが、今後のレジリエンス強化に不可欠であると考えています。

海外展開に向けた取り組みと今後の方向性

SAKIGAKE JAPANは、本プログラムで検討・実証される取り組みを、将来的な海外展開を見据えたモデルとして発展させていく方針です。気候変動や都市化の進行により、防災・レジリエンスへのニーズはアジアや中東をはじめとするグローバルサウスを中心に急速に高まっています。

弊社は、日本の防災技術や運用ノウハウをそのまま展開するのではなく、各国・地域の制度、文化、インフラ条件に適応させた形で再設計し、現地に根づく実装を行うことを重視しています。今後は、海外の自治体、民間企業、国際機関との連携も視野に入れながら、日本発の防災・環境適応の取り組みを、世界で活用されるレジリエンスモデルへと発展させていく考えです。