「火山災害=突発的」ではなかった──準備された避難
2025年8月6日──今日は、1977年8月6日に発生した「有珠山噴火」からちょうど48年の節目にあたります。
北海道南部に位置する有珠山は、これまで数十回にわたる噴火を繰り返してきた活火山であり、そのたびに地域社会は「防災とは何か」を問い直してきました。特に、2000年の噴火では“奇跡の避難”と称される事前対応が注目され、現在の危機管理の礎ともなっています。
本記事では、1977年の記憶に敬意を込めつつ、現代の有珠山防災における取り組み──「2日前の避難完了」「元住民と行政による“訓練ではない訓練”」など──を振り返り、未来への示唆を探っていきます。

有珠山噴火(2000年)をめぐる事実
- 噴火発生:2000年3月31日
- 場所:北海道伊達市・洞爺湖町
- 人的被害:死者・行方不明ゼロ
- 住民避難:噴火の2日前に全員避難完了(約1万5千人)
- インフラ被害:道路・線路が火山弾と泥流で寸断/一部施設損壊
ではなぜ、これほどまでに“整った避難”ができたのでしょうか?
「一度噴いた山はまた噴く」──経験が活かされた町
有珠山は、ただの“観光火山”ではありません。20世紀だけでも、1910年・1944年・1977年・2000年と、4回も噴火を起こしている活火山です。この地域の人々にとって、噴火は「遠い出来事」ではなく、「また来る現実」でした。
だからこそ、自治体と住民が繰り返し訓練を行い、避難ルートを点検し、「有珠山が少しでも動いたらすぐ逃げる」という合意が、地域に根づいていたのです。
つまり、有珠山の住民たちは「災害を信じていた」。
これが、奇跡のような避難成功を可能にした最大の要因だと思います。

なぜ企業が「有珠山噴火」に注目するのか?
SAKIGAKE JAPANは、防災テクノロジーの導入や事業継続計画(BCP)支援を手がける企業です。火山災害のような“地域限定型”のリスクは、「自社には関係ない」と見過ごされがちです。しかし、有珠山の事例は“自分のエリアでは起きない”という油断こそが、被害を大きくすることを教えてくれます。
特に注目したいのは以下のポイントです:
- 事前避難ができたのは、予兆情報が共有され、信頼されていたから
- 地元住民と行政が、“訓練ではない訓練”を何度も積み重ねていたから
- 災害は起こるものだと意識し、日常の一部として受け入れていたから
これらは、企業BCPの設計や、従業員への初動教育にも応用できる視点です。
私たちの問い:「あなたの会社に“予兆”を伝える仕組みはあるか?」
火山のような分かりやすい“前触れ”は、すべての災害にあるわけではありません。
しかし、情報はあります。
気象庁、自治体、防災科研、そして民間のリスク情報プラットフォーム。
問題は、それを誰が・いつ・どうやって受け取るのかです。
有珠山のように、「異変を異変として、共通認識にできる体制」を企業の中でもつくれるか──。
それが、BCPや災害対応計画に問われている“本当の設計力”だと私たちは考えています。

最後に──災害に対する“信じる力”をどう育てるか
有珠山噴火を語るとき、何より印象に残るのは“逃げる”という判断が、まっすぐに実行されたことです。防災は、知識より先に「動く勇気」から始まります。そしてそれは、普段から“信じられるルール”が共有されているかどうかにかかっています。企業もまた、災害から逃れられる存在ではありません。
私たちSAKIGAKE JAPANは、有珠山のように「災害の記憶を日常に活かす」姿勢を学びながら、企業や自治体の“信じられる初動”を支えるパートナーでありたいと思っています。
▶ 災害対応訓練の設計やBCP支援についてのご相談はこちらからお気軽にご連絡ください。
