東京大学生産技術研究所・沼田研究室との協働──災害対策トレーニングプログラムの共創に向けて

「訓練の設計」から、防災の実装力を高める

私たちSAKIGAKE JAPANは、東京大学生産技術研究所附属 災害対策トレーニングセンター(DMTC)における「RC-95特別研究会」に所属し、沼田研究室と連携した災害対策トレーニングプログラムの研究開発を進めております。

災害対策においては、「知っている」ことと「動ける」ことの間に、時として大きなギャップが生まれます。いざという時に備えた知識・技術の習得だけでなく、現場で使える“訓練のかたち”をいかに設計するかが、防災体制の実効性を左右します。私たちは、これまで災害対応現場で培ってきた装備開発・制度支援のノウハウを活かし、「教育」と「実装」をつなぐ新たなトレーニングプログラムづくりに取り組んでいます。


今年度の取り組み方針──実務と理論をつなぐ訓練モデルを

現在、2025年度のテーマは検討段階にありますが、以下のような視点での貢献を想定しています。

1|高度技術 × 実践知による教育設計支援

災害現場では「初動対応の質」が被害規模を大きく左右します。そのため、機材や支援装備を、どのタイミングで、誰が、どう使うかという点までシミュレーションされた訓練が必要です。

そこで私たちは、自社が展開する可搬型支援装備──Cold Storage Box Portable(停電時でも医薬品や食品の保冷・輸送を可能にする冷蔵装置)や、Heli‑Portable(道路寸断時に仮設ヘリポートを展開可能な装備)などを、DMTCの専門プログラム(例:EOC運営訓練、TSR救護訓練)に組み込み、訓練そのものの設計段階から共同で構築していけないかと考えています。

これは単なる製品導入ではなく、装備が実際の訓練や教育カリキュラムの中で、どう活用され、どう改善されるべきかを探るプロセスでもあります。


2|地域・国際展開への実装と連携支援

RC-95が育成する人材や教育モデルを、より多くの地域・組織に広げていくことも重要な役割と考えています。

RC-95との連携を活かし、今後は地方自治体や企業BCP(事業継続計画)領域へのモデル展開を協働で試行していく予定です。防災教育の成果を、実際の現場や組織運営の中にどう組み込んでいくか──その実装性こそが、訓練開発の重要な視点となります。

また、弊社が参加している「世界防災フォーラム」など国際連携のフィールドでは、日本の先進的な防災教育の成果を海外に発信する場として機能させることも想定しています。日本発の災害対応モデルを、より多くの国や地域で応用可能な形で発信・展開していくことも、本研究会における私たちの貢献の一つです。

世界防災フォーラムについて、詳しくはこちらの記事をご覧ください。


「災害を教え、動ける人を育てる」教育のあり方とは

RC-95特別研究会は、DMTCが中心となり、官民・学の多様な実務者が参画する実践志向の研究会です。座学にとどまらず、災害対応の「型」と「理論」を明確化し、実際の教育プログラムとして形にしていくことを目指しています。たとえば、2025年度のスケジュールでは以下のような流れが予定されています。

  • 6月:課題案の洗い出しと方向性のすり合わせ
  • 7〜9月:10本程度のプログラム案を策定・講師体制を構築
  • 10〜12月:試行プログラムのテスト実施・ブラッシュアップ
  • 翌年2月:正式開講に向けた最終確認

このなかで、私たちSAKIGAKE JAPANは、防災企業としての実装経験と技術知見を提供しながら、「地域の現場に合った教育とは何か」を模索していきます。


おわりに──未来の防災人材育成へ、今できることを

「防災は人が動くことで実現する」。この言葉は、私たちが防災に向き合う中で何度も実感してきた事実です。製品だけでも、制度だけでも、研修だけでも、地域の命は守れません。教育のかたちそのものを問い直し、実践と結びついた訓練をいかに設計するか──これが今、求められている視点です。

SAKIGAKE JAPANは、DMTCや沼田研究室の皆さまと共に、災害対応教育の“次のかたち”を描きながら、地域や企業、そして国際社会へと広げていけるよう、地に足のついた貢献を続けてまいります。


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