オフグリッド型 水産コールドチェーン輸送システム

離島の水産物流を、脱炭素インフラへ

本事業は、東京都「グローバルサウスGX促進プロジェクト」採択事業として、インドネシアの未電化離島・沿岸部における水産物流通の脱炭素化と食品ロス削減を推進する取り組みです。

SAKIGAKE JAPANは、漁獲直後の海上保冷、離島・沿岸部での保冷ハブ運用、そして本土・市場への陸上輸送までを一体で設計する、オフグリッド型コールドチェーン輸送システムの構築を進めています。

オフグリッド型コールドチェーン拠点
漁船上で始まる鮮度管理
水揚げ直後から定温保冷へ
従来保冷と新システムの比較
太陽光で支える離島ハブ
PCMを凍結・チャージする工程
港で活用する移動式保冷庫
太陽光と連携する蓄電システム
通常トラックによる定温輸送
市場・加工場まで鮮度を維持
現地専門家(Bandung Institute of Technology)との連携
地域の豊かさを支える冷のインフラ

従来の氷・ディーゼル発電・冷凍トラックに依存した水産物流通から、太陽光発電、蓄電池、PCM/特殊蓄冷材、高断熱ボックス、移動式保冷庫を組み合わせた持続可能な流通モデルへの転換を目指します。

鮮度維持、物流コスト、電力インフラ、温室効果ガス排出という複合的な課題に対し、GXと地域レジリエンスを両立する新しい水産物流通モデルを実装してまいります。

漁獲から輸送まで、冷やし続ける仕組みをオフグリッドで実現

インドネシアをはじめとする島嶼国・沿岸地域では、水産資源が豊富である一方、漁獲後の温度管理や輸送インフラに課題を抱える地域が多く存在します。

特に、未電化地域や電力供給が不安定な離島では、氷やディーゼル発電機に依存した保冷が一般的であり、燃料コストの増加、CO₂排出、鮮度低下、廃棄ロスといった課題が発生しています。

SAKIGAKE JAPANは、こうした現地課題に対し、海上・離島ハブ・陸上輸送をつなぐ一貫型のコールドチェーンを構築することで、水産物流通の脱炭素化と高付加価値化を同時に実現します。

オフグリッド型コールドチェーンの特徴

■海上保冷:漁船上で鮮度を守る

従来の小規模漁業では、漁獲物の保冷に氷水が用いられることが多く、外気温や輸送時間によって品質が大きく左右されます。また、氷の調達・保管・輸送にもコストと環境負荷が発生します。

本システムでは、伝統的な漁船に特殊蓄冷材と保冷庫を搭載することで、漁獲直後から安定した温度管理を実現します。漁船上で新たな燃料や電力を大量に消費することなく、水産物の鮮度維持を図ることが可能です。

■離島基地:再生可能エネルギーで保冷拠点を運用

離島や沿岸部に設置するハブ拠点では、太陽光パネルと蓄電池を活用し、完全オフグリッド型の保冷・蓄冷拠点を構築します。

この拠点では、水産物の一時保管に加え、特殊蓄冷材の凍結・チャージを行います。これにより、ディーゼル発電機への依存を抑え、電力インフラが脆弱な地域でも安定したコールドチェーン運用を目指します。

将来的には、漁船用電源や災害時の地域保冷拠点としての活用も視野に入れることができます。

■陸上輸送:冷凍トラックに頼らない定温物流

陸上輸送では、チャージ済みの特殊蓄冷材と高断熱ボックスを組み合わせることで、冷凍トラックを使わずに水産物を定温輸送します。

外気温が高い環境下でも長時間の温度維持を可能にし、通常トラックによる輸送への転換を図ります。これにより、冷凍車両の燃料消費やCO₂排出の削減に加え、輸送コストの低減も期待できます。

※温度維持時間やコスト削減効果は、輸送距離、外気温、積載条件、運用方法により変動します。実証条件に基づき、今後検証を進めてまいります。

脱炭素化と食品ロス削減への貢献

本システムが目指すのは、単なる冷蔵・冷凍設備の導入ではありません。水産物流通における「冷やす仕組み」そのものを見直し、サプライチェーン全体での脱炭素化を進めることです。

従来の水産物流通では、氷の製造・輸送、ディーゼル発電、冷凍トラックの稼働など、さまざまな場面でエネルギーが消費されています。本システムでは、PCM/特殊蓄冷材、高断熱ボックス、太陽光発電、蓄電池を組み合わせることで、燃料使用量とCO₂排出の削減を目指します。

また、漁獲後の温度管理を改善することで、鮮度低下による廃棄ロスを抑制します。食品廃棄の削減は、経済的損失の低減だけでなく、廃棄に伴う環境負荷の軽減にもつながります。

FAQ

よくある質問

Q. どのような地域での導入を想定していますか?

A. 主に、電力インフラが不安定な離島・沿岸部・漁村地域を想定しています。特に、漁獲後の保冷、離島から本土への輸送、冷凍トラックの導入が難しい地域での活用が期待されます。

Q. 完全に電力を使わないシステムですか?

A. 電力を一切使わないという意味ではありません。太陽光発電と蓄電池を活用し、商用電源やディーゼル発電に依存しないオフグリッド型の運用を目指すシステムです。

Q. 冷凍トラックは不要になりますか?

A. 輸送条件によって異なりますが、特殊蓄冷材と高断熱ボックスを活用することで、冷凍機能を持たない通常トラックでの定温輸送を目指します。実際の運用可否は、輸送距離、外気温、輸送時間、積載条件に応じて検証します。

Q. 日本国内でも活用できますか?

A. はい。インドネシアでの実証を通じて得られた知見は、日本国内の離島、沿岸部、災害対応拠点、地域物流への応用を想定しています。

Q. 実証や共同事業の相談は可能ですか?

A. 可能です。水産、物流、再生可能エネルギー、蓄電池、冷熱技術、自治体、国際協力分野など、幅広いパートナーとの連携を想定しています。詳しくはお問い合わせください。

パートナー様ご紹介

株式会社NBコールドチェーン
株式会社NBコールドチェーンは、特殊蓄冷材「クレセントF」を中心に、保冷・定温輸送ソリューションを提供する企業です。冷蔵・冷凍車に依存せず、保冷ボックスや常温車両での温度管理を可能にし、食品・医薬品の品質維持、物流コスト削減、環境負荷低減に貢献しています。本プロジェクトでは、PCM技術の協力企業として参画しています。