DEAラボトークスに代表・近藤が出演|日本の防災テクノロジーのグローバル社会への実装を語る

2026年6月25日、株式会社SAKIGAKE JAPAN 代表取締役・CEO 近藤宗俊が、株式会社DEA社が運営する「DEAラボトークス」に出演しました。

今回のテーマは、「世界の防災事情とテクノロジー事例|グローバルなスタートアップ最前線」

「日本の先進的な防災テクノロジーを世界へ」というSAKIGAKE JAPANのミッションを軸に、日本の防災の強みから、フェーズフリーという考え方、防災テクノロジーの海外展開、AIによる防災知見の標準化、さらにはWeb3やゲーミフィケーションを活用した未来の防災まで、幅広いテーマについてお話ししました。

今回はインドネシアからオンラインで出演したため、現地の通信環境の影響で映像や音声が一部途切れる場面もありますが、SAKIGAKE JAPANが現在海外の現場で何を考え、何を目指しているのかを率直にお話ししています。

▼「DEAラボトークス」SAKIGAKEJAPAN特集ページ
世界の防災事情とテクノロジー事例|グローバルなスタートアップ最前線

日本の防災テクノロジーを、世界で機能するものへ

インタビューで最初にお話ししたのが、日本が持つ防災の強みです。

気候変動の進行などを背景に、自然災害への備えや社会のレジリエンス向上は、日本だけの課題ではなくなっています。こうした中、SAKIGAKE JAPANが注目しているのが、日本で長年培われてきた防災技術やノウハウです。

海外では大規模なインフラ整備などが災害対策の中心となるケースがある一方、日本には民間企業が開発してきた多種多様な防災商品・サービスがあります。食料や生活用品、避難所環境、耐震、通信、エネルギーなど、被災者や利用者の具体的な課題に対応する細やかな技術が蓄積されています。しかし、優れた技術を持っていても、営業・マーケティングや海外展開のリソースが不足し、国内外の必要としている人々まで届いていないケースも少なくありません。

そこでSAKIGAKE JAPANが担っているのが、「日本の防災シーズ」と「国内外のニーズ」をつなぐ役割です。

単一の商品を販売するのではなく、顧客や地域が抱える災害リスクを整理し、必要に応じて複数の製品・技術・サービスを組み合わせる。防災商品・ソリューションの営業・マーケティング支援に加え、BCP(事業継続計画)策定、防災教育、新規防災事業開発、コンサルティングなどを組み合わせながら、実際に機能する防災の仕組みづくりを進めています。

「フェーズフリー」で、防災を日常の価値に変える

インタビューの中で重要なキーワードとなったのが、「フェーズフリー」です。防災商品は、災害時のためだけに備えるものと考えられがちです。しかし、非常時にしか使用しない製品や設備は、企業や自治体にとって導入コストが負担となり、平時にはその価値を実感しにくいという課題があります。

そこで重要になるのが、平時にも価値を生みながら、災害時にも役立つという考え方です。その一例として今回紹介したのが、「Aster Power Coating」です。構造物に塗布することで補強を図る技術であり、防災・耐震という観点だけでなく、橋梁、公共施設、マンションなどの老朽化対策や長寿命化という平時の課題にもつながります。

災害時だけの「防災コスト」として考えるのではなく、日常の経済価値や社会課題の解決と防災を結びつける。この発想は、防災を持続可能な市場へと成長させていくうえでも重要だと考えています。

「塗る」ことで建物を守る、Aster Power Coating

今回のインタビューで、防災テクノロジーの具体例としてご紹介したのが、「Aster Power Coating(アスターパワーコーティング)」です。

Aster Power Coatingは、東京大学生産技術研究所発のスタートアップ・株式会社Asterが開発した特殊繊維強化塗料です。特殊繊維を配合した塗料によって補強層を形成し、既存の建物やコンクリート構造物の補強に活用できます。マンションや学校、公共施設、高架橋など幅広い構造物への活用が想定されており、地震対策だけでなく、平時には老朽化した構造物の劣化対策や長寿命化にもつながることが特徴です。これは、日常と災害時の双方で価値を生み出す「フェーズフリー」の考え方にも通じます。

SAKIGAKE JAPANでは、Aster Power Coatingをはじめとする日本発の防災技術を、それぞれの国や地域の課題に合わせ、実際に使われ続ける形で社会実装することを目指しています。

▼Aster Power Coatingについて詳しくはこちら
Aster Power Coating 製品ページ

インドネシア、サウジアラビアへ。海外展開で重視する「現地化」

今回のインタビューでは、SAKIGAKE JAPANが進めている海外展開についてもご紹介しました。

サウジアラビアをはじめとする中東地域や、インドネシアなどのグローバルサウスにおいて、現地の行政・企業・パートナーと連携しながら、日本の防災・環境適応技術を活用した事業開発を進めています。そこで私たちが大切にしているのは、日本の商品をそのまま海外へ「輸出する」だけではないことです。

災害リスクも、インフラも、制度も、生活習慣も国によって異なります。日本で機能する仕組みが、そのまま別の国でも機能するとは限りません。そのため、現地のニーズを把握し、信頼できるパートナーと協力しながら、その地域で継続的に使われる形へカスタマイズすることを重視しています。

製品を売って終わるのではなく、現地で運用され、必要に応じて生産やメンテナンスまで含めた仕組みとして根づかせていく。「輸出」から「社会実装」へ。これが、SAKIGAKE JAPANが考える防災テクノロジーの海外展開です。

AIで「熟練者の防災ノウハウ」を世界へ

さらに対談では、SAKIGAKE JAPANが今後目指している「防災×AI」についてもお話ししました。

災害対応の現場には、過去の災害を経験した専門家や行政職員、企業担当者などが蓄積してきた膨大な知見があります。しかし、その多くは個人の経験やノウハウに依存しており、別の地域や次の世代へ完全に引き継ぐことは容易ではありません。そこで私たちが構想しているのが、災害対応に関する知見を分解・整理・標準化し、AIなどのテクノロジーを活用して再利用できる仕組みです。

例えば、地域の人口構成、地形、災害リスク、インフラなどの条件をもとに、「どのような対策が必要なのか」「どの技術が適しているのか」「どの程度のコストが必要なのか」といった選択肢を提示できるようになれば、専門家の知見をより多くの地域へ届けることができます。私たちが目指しているのは、優れた防災ノウハウを、誰でも、どこでも再現できる世界です。

「やらなければならない防災」から、「やりたくなる防災」へ

今回の対談で、もう一つ大きな可能性として議論したのが、ゲームやWeb3、ゲーミフィケーションと防災の組み合わせです。防災にはどうしても、「重要なのは分かっているけれど後回しになる」という課題があります。だからこそ、防災を義務や訓練として押し付けるだけではなく、人々が自発的に参加したくなる仕組みへ変えていくことが必要です。

例えば、地域の防災活動や訓練への参加にゲーム要素を取り入れたり、子どもから高齢者まで楽しみながら防災を学べる仕組みを設計したりすることで、行政によるトップダウンの防災と、住民から生まれるボトムアップの活動を組み合わせられる可能性があります。防災は、一度学んだら終わりではありません。地域の中で継続し、世代を超えて文化として根づいてこそ、本当のレジリエンスにつながります。

防災を「産業」にし、世界のレジリエンスを高める

今回のインタビューでは、SAKIGAKE JAPANの事業だけでなく、代表・近藤が環境学の研究からキャリアをスタートし、リクルートでの経験を経て、なぜ防災分野で起業するに至ったのかについてもお話ししました。環境問題を研究する中で考えてきたのは、「環境変化によって起きる現実の被害に対して、社会としてどう適応するのか」という問いです。その答えの一つが、防災・レジリエンスでした。

そして現在、その対象は自然災害だけではありません。停電、断水、インフラ老朽化など、社会や生活の継続を脅かすさまざまなリスクを含めて、私たちは「レジリエンス」という大きな視点から事業を捉えています。

日本には、世界で活用できる優れた防災技術とノウハウがあります。一方で、世界各地には、それぞれ異なる課題とニーズがあります。技術とニーズをつなぎ、現地のパートナーとともに社会へ実装する。そして、そこで得られた知見を標準化し、次の地域へ展開する。SAKIGAKE JAPANは、こうした循環を生み出すことで、防災を一過性の「備え」ではなく、社会に継続的な価値を生み出す産業へと発展させていきたいと考えています。


SAKIGAKE JAPANが考える「先進防災テクノロジー×グローバル社会実装」の現在地と未来について幅広くお話ししています。ぜひご覧ください。

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世界の防災事情とテクノロジー事例|グローバルなスタートアップ最前線