バンドン工科大学(ITB)とMOU締結へ―水産・再生可能エネルギー分野での共同研究がスタート

はじめに

SAKIGAKE JAPANは、インドネシア・バンドン工科大学ITB:Institut Teknologi Bandung)機械航空工学部(FTMD)との間で、PCM(相変化材料)技術を活用した共同研究に関する協議を行い、MOU(覚書)締結に向けて合意いたしましたのでご報告します。

この協議は、SAKIGAKE JAPAN代表・近藤宗俊がインドネシア出張中の2026年6月にバンドンを訪問し、ITB-FTMD所属のユリ・セティヨ・インダルトノ博士、フィルマン・バグジャ・ジュアンサ博士と面談する形で行われました。本件については、ITB側からも正式にプレスリリースが発信されています。

▶ ITB公式記事はこちら(インドネシア語)

協議の内容:水産・再生可能エネルギー分野におけるPCM技術の可能性

PCM(Phase Change Material/相変化材料)は、物質が固体から液体、あるいは液体から固体へと状態変化する際に、熱エネルギーを吸収・蓄積・放出する特性を持つ材料です。この特性により、省エネルギーかつ持続可能な冷却システムを実現できる技術として注目されています。

今回の協議では、この特性を水産分野に応用し、最大でマイナス10℃までの温度を維持できるPCMベースの冷却システムの開発について意見交換が行われました。インドネシアの多くの地域で課題となっている水産物の収穫後ロス(ポストハーベストロス)削減する、より効率的な代替手段としての活用が期待されています。

あわせて、太陽光発電(PV)システムとコールドストレージ(保冷施設)を組み合わせることによるエネルギー効率の向上、および運用コストの削減についても議論されました。これは特に、安定した電力供給へのアクセスが限られている沿岸部・離島地域において、大きな効果が見込まれる組み合わせです。

今後の展開:技術検証・資金調達・脱炭素まで踏み込んだ包括連携へ

今回のITBとの協議は、単なる技術的な意見交換にとどまりません。今後、以下のような具体的な連携を進めていく予定です。

第一に、本プロジェクトの技術検証をITBにおいて実施すること。 PCM技術の性能評価や実証実験を、ITBの研究環境・専門知見を活用しながら進めていきます。

第二に、SAKIGAKE JAPANとITBが双方でファンドレイジング(資金調達)を行いながらプロジェクトを推進すること。 一方の資源だけに依存するのではなく、両者がそれぞれの立場から資金確保に取り組むことで、プロジェクトの実現可能性を高めていきます。

第三に、本プロジェクトの履行に向けて、脱炭素の文脈まで踏み込んだ包括的な共同研究を進めること。 水産分野における冷却技術の効率化にとどまらず、再生可能エネルギーの活用や温室効果ガス削減といった、より広い視点からの共同研究へと発展させていく方針です。

ITB側の記事でも述べられているように、本連携は「大学と国際的な産業界の間のシナジーが、水産・再生可能エネルギー分野を強化するだけでなく、インドネシアにおける持続可能な経済・環境の発展にも貢献する」ことを目指すものです。

おわりに

今回のバンドン工科大学(ITB)との協議は、SAKIGAKE JAPANが進める「オフグリッド型 水産コールドチェーン輸送システム」の技術的な基盤を、学術的な知見と共に強化していく重要な一歩です。

知識交換・技術協議、そしてパイロットプロジェクトの実施可能性を通じて、インドネシアの実情とニーズに即したイノベーションを生み出すことを目指してまいります。実証への参画、技術連携、現地展開、そして日本への本技術の逆輸入にご関心をお持ちの企業・団体の皆さまは、ぜひお問い合わせください。